ニガくて難しいアクセス解析を、たっぷりのミルクでふわふわの贅沢ラテ的な仕上がりに

GoogleAnalyticsなんてメじゃない。超ハイテクトラッキング技術はここまで進んでる

via: 米規制当局、FlashクッキーによるトラッキングについてAdobe と協議

ブラウザ標準のcookie以外に、FlashではFlashクッキー(Local SharedObject)を持つことができます。Flashゲームの得点スコア保存用だったり、クリップボードへのコピー用だったり、アプリケーションの操作履歴を管理して「戻る」「進む」にあてたり、という使い方が一般的だったんですが、広告会社はそこに目をつけました。

SharedObjectで保存できる容量は100KB(ユーザーの同意を得れば1MB,10MB,制限なしという設定も使える)。最低でもcookieの25倍に当たります。ここを広告のトラッキングクッキーとして使えば、消されにくいし情報を隠ぺいできるし...と、悪どい使い方を考えた広告屋がいたんですね。

僕も2年前に、サードパーティFlashクッキーによるクロスドメイン・クロスブラウザのトラッキング技術(略してEXSO)を開発したりしましたが、どうもウケがよろしくない。Flash不要論も出てきてますし、時期が早すぎただけだと思いたい。 記事はこちら。ドメインもブラウザも超えて、ログインなしでユーザを判別する「ExSO」でwebを進化させる

そしてついに米規制当局が動きました。

今回のニュースは、米国の連邦取引委員会 (FTC) チェアマン Jon Leibowitz 氏が記者会見で、「Flashの問題」については Adobe とすでに話し合いをもっている、と語ったというもの。

普通のcookieであれば、ブラウザ側で動作を制御できますし、javascriptでアクセスすることもできます。ブラウザの設定画面からファーストパーティクッキーだけを保存するか、サードパーティクッキーも保存するか、そもそもクッキーを使わないかを選べます。IEでもFirefoxでもChromeでもSafariでも同じです。

でも、FlashクッキーはFlash Playerで制御されてますから、Playerの設定画面からでしか見ることができません。Flash上で右クリックして「設定」を押すとこんな設定画面がちょろんと出ますが、普通の人には何のことやらわかりませんよね。

track1.jpg

すべてを記憶する。everCookie

米弁護士がFlashクッキーをプライバシー侵害で訴えたり、AppleがFlashを新デバイスから締めだしたりとFlashを悪者にしようとしている各種団体やベンダと攻防が繰り広げられる中、ついに最強のクッキーともいえる技術が提案されました。それがeverCookie。実際にはjavascriptから呼び出される各種手法の寄せ集めです。

  • 通常のHTTPクッキー
  • Local Shared Objects (Flash Cookie)
  • Silverlight Isolated Storage
  • セッションデータをRGB値にエンコードしたPNGファイルを生成し期間20年指定でキャッシュさせる
  • 楽天ad4Uで御馴染みのCSS履歴ハック
  • HTTP ETags
  • Storing cookies in Web cache
  • window.name caching
  • Internet Explorer userData storage
  • HTML5 Session Storage
  • HTML5 Local Storage
  • HTML5 Global Storage
  • HTML5 Database Storage via SQLite

という技術を組み合わせて、削除するのに日が暮れるようなクッキーが生み出されました。トラッキング界のMRSA(超耐性ウィルス)みたいなもんです。 普通のクッキーがOFFになっていたらFlashクッキーを設定しようとし、それがダメならSilverLightのIsolated Storageを試し、それがダメならHTTPのEtagを使おうとし、それがダメならモダンブラウザのローカルストレージを使おうとし、さらにHTML5でクッキー情報をテキスト化してPNGエンコードして保存しようとし、さらにHTML5のローカル、グローバル、SQLiteでもって情報を保存させようとします。さらに、ひとつでも生き延びれば全種類を復活させるとのこと。

こんだけやって何がしたいかというと、「個のWeb」になっていく未来、ソーシャルグラフをはじめとした個人のアクセスそのものが価値を持ってくるので、クッキーを埋め込んでログ解析しまくることがビジネスになる、と見込んでるわけです。普段僕らがなにげに使っているアクセス解析だったりトラッキングみたいなことの価値が「当たり前かつ必須」になり、さらに「批判の対象」になってきますね。

いちおう、導入するにあたってはjQuery、swfObject、evercookieの3つのJSを呼び出すだけです。あら簡単。だけど威力は絶大。ただ、記録した内容をトラックシステムに入れる部分は結局そのサイト固有になっちゃうので、簡単には実装できませんね。アクセス解析担当レベルで判断できるものじゃありません。

こんなことされたら、ファーストパーティクッキーだけ使ってるGoogleAnalyticsなんて可愛いもので、オプトアウトできるようになったからって別に影響なんてありません。さすがGoogle、とでも言っておけばいいんじゃないかな。

アクセス解析担当者みたいな人たちは、今でこそWebマーケターやらアナリスト、コンサルタントみたいな扱いをされているけど、次第に居場所がなくなってくるんじゃないかなあ。そのとき、不要になるのは「解析のための解析者」だったり「解析技術の追跡者」だったりするんでしょうね。それって俺のことじゃん。

データをもとに分析できる人は、きっと将来的にも重宝されますよね。

Home > 11.他のブログ記事を紹介 > GoogleAnalyticsなんてメじゃない。超ハイテクトラッキング技術はここまで進んでる

このページの上へ