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Firefox9で追加されたnavigator.doNotTrackが広まるとどうなるか

Firefox4のリリースが2011/03/22、その9ヶ月後の2011/12/22にFirefox9がリリースされました。JSが早くなったとかCSS対応が増えたとかセキュリティだとか、よくあるリリースノートの中に「JavaScript を通じた Do Not Track 設定の確認 が可能になりました。」という一文がありました。
via. navigator.doNotTrack - Mozilla Developer Network

ブラウザでnavigator.doNotTrackが使えるようになるということ。JSのnavigatorオブジェクトっていうのはその名の通りブラウザそのもので、ほかにはnavigator.appNameやnavigator.appVersion、navigator.getlocationなどがあり、ブラウザの仕様や設定を取得できます。

現状、navigatorオブジェクトからDo Not Track情報(DNT)を取得できるのはFirefoxだけですが、IE9は既にDNTを搭載しているので、今後は使えるようになるかもしれません。
で、これが広まるとどうなるか? を考えてみました。

真っ先に思うのは、ユーザがDNTを使っているか否かを取得し、サイト中のDNTユーザの比率を算出すること。これは難しくありません。Googleアナリティクスでもできそうです。

console.log(window.navigator.doNotTrack);
//設定されていれば文字列"yes"が返り、されていなければ文字列"unspecified"または"0"が返ります
if(window.navigator.doNotTrack){
  var _dnt = window.navigator.doNotTrack != 0 ? "dnt":0;
  _gaq.push(['_setCustomVar',1,'dnt',_dnt, 1]); 
}

これはユーザにとっては小さいがサイトにとっては大きな脅威です。現状、DNTヘッダのリクエストに対する「本当にトラックするかしないか」はサイト側にゆだねられていますが、目に見えて「これだけの人がトラッキングを拒否している」という事実が取得できます。

それが大きな声になるのはもっとブラウザが進化しないとダメだろうけど、このノリだと欧米で訴訟が起こる日もそう遠くないと思ってます。そうなると、どういうことが起こるか。
まずはサイトのプライバシーポリシーにDNTの扱いを明記しないといけなくなり、JSでトラッキングしているサイトはプラポリでDNTに従うって言っておきながら問答無用でトラッキングしていたら訴えられ、よくわからないまま負けます。っていう「当たり屋」まで出てきそうです。
サイト側で対応できるのにしないのは傲慢だ、人権侵害だ、なんつって。

とはいえ、DNTは基本的にはユーザフレンドリーですし、脅威を感じるのはサードパーティクッキーをばらまいているようなバナー屋やアドネットワークあたりだと思います。大きいメディアもそうかもね。
ただ、「DNTを設定している人を計算するためにトラックする」という卵が先か鶏が先かみたいな話も起こりそうですね。そうなったとき(いわゆる情弱と呼ばれるユーザがDNTを設定し始めるようなとき、あるいはスマホの設定メニューの一番最初にそれがくるようなとき)には、トラッキングする情報自体も、いまみたいに「とにかく情報を集めてから必要なデータを見る」っていう方法は使えなくなりそうです。「うちはコレとコレとコレのデータを集めます。はいちょうだい」みたいに、収集するデータさえも限定的になりそうな予感。まあ、最悪のケースですが。

僕はかなりFirefox大好きで、他のブラウザはほとんど使わないので、今後も動向を見て行きたいと思っています。あとせっかく使えるようになったんだから、普通はそうは使わないというやりかたを探してみたいとも思っています。

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